ああ、俺だってつらいんだ
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あたしゃ無名です。
かじたにさん、はじめまして。
確かにモデルによって何かを実証するという時の仮定の扱いを勘違いしていたようです。
突然お邪魔して失礼します。お二人のやりとりを興味深く拝見していました。
『数セミ』の記事は立ち読みでしか読んでいないのですが、さとるさんの解説は簡潔にして的確、なのではないかと思います。特に、
>利潤最大化を前提とすると、マークアップ率(=価格÷限界費用)が1を上>回る程度が独占力の指標です。んでもって、論文内で利潤最大化仮説自>体を疑ってる形跡はなさそうです。
というところがポイントですね。わたしの理解では、一般に経済の実証分析といわれているものでは、効用最大化といったミクロの経済主体行動に関するいくつかの仮説を前提としてモデル(仮説)を組み立てます。その結果モデルが「実証された」というとき、それはいくつかのミクロ的な仮説と、証明すべきモデルと、現実の出来事とが、お互いに整合的で無矛盾である事が示された、ということを意味します。それによって前提となっている仮説そのものが厳密な意味で「証明」されるわけではありません(ある仮説を証明する過程において、証明しようとする当の仮説を前提としたのでは循環論法になってしまいます)。ただ、ある程度の「妥当性」は示されると思いますが。
逆に、あるモデルが棄却される場合には、モデルが間違っているのか、前提となっているミクロ的な仮説そのものが間違っているのか、本当は特定できないはずなんですが、現実には後者の可能性が追求される場合はまずないようですね。
そういうわけで「あるマクロモデルの実証がうまくいったからといって効用最大仮説自体が証明された事にはならないんじゃ・・」というさとるさんの疑問はもっともな事だと思います。
・・というわけで、お二人の間のズレは、「ある仮説が証明されるということ」に関する認識のちがいから生じているように見受けられるのですが、いかがでしょうか?
申し遅れましたが、わたしは中国を主な対象領域とする地域経済を専攻しています。エコノメの真似事はいたしますが、決して「専門家」と言いうるレベルにはありません。おかしい点があればぜひご指摘頂きたいと思います。
今日『経セミ』買って見てみました。
飯田さんですね。この海外論文surveyって、いつも内輪(東大経)ですよね。
で、サーベイという性質上、元論文
Robert E. Hall (1988),
The Relation between Price and Marginal Cost in U.S. Industry'',
Journal of Political Economy, 96 (5), 921-947
にさらっと目を通してみたのですが…。
これは、消費者の効用最大化でなく、企業の利潤最大化がらみですね。
それも、
「産業別のデータから見ると、限界費用より価格の方が大きい。
これは、パラドックスだ。パラドックスの原因はいろいろ考えられるが、
多分、完全競争じゃなくて、だいたいの市場で独占力があるからだろう。」
って話です。
(ただし、限界費用はなかなか観察できないので、も少しテクニックが必要。
それと、飯田さんは少し違う書き方をしてる。
ついでに、飯田さんの式(3)の左辺はΔYじゃなくΔyのはず。)
注:独占力とは、
「自社の生産量の変化が市場価格にどの程度影響を与えるか」
の程度を表し、ライバル企業の総数や自社のシェアなどが関係すると考えられます。
ここで、企業の行動原理として利潤最大化を仮定すると、
・完全競争(=独占力ゼロ)なら、価格=限界費用
・不完全競争(=独占力あり)なら、価格>限界費用
が導けます。
だから、利潤最大化を前提とすると、
マークアップ率(=価格÷限界費用)が1を上回る程度が独占力の指標です。
んでもって、論文内で利潤最大化仮説自体を疑ってる形跡はなさそうです。
さて、皆さんや僕がこの結果をどう読むか?ですね。
(最近、皆さんに大嘘を教え込んでる気がしてなりません。
多分僕は経済学の中でも偏向した思想の持ち主ですので、そこンとこをどうか。
読みながら鼻で笑ってらっしゃる同族の先輩方、そろそろツッコんで下さい。)
今、自分がどっちにいるのかわからなくなってきた・・・
−−−−−
>さとるさん
うーん、そういう話といえばそういう話なんですが、ようは効用最大化仮説の是非を
問いたいわけではないというのがもともとありまして、効用最大化仮説が実際に現実
と適合しているのかという検証を行った場合、どのレベルまでこの仮説が適合してい
るのか、というのが知りたいのです。
で、僕の狭い知識では、最近実験経済学あたりでは個人レベルの「効用最大化仮説は
揺らいでいる」なあと思ってます。でも、実際に市場レベルで観察される事象には、
まだまだ効用最大化仮説が十分実用に耐えるレベルで残っているのではなかろうか?
とも思っているのです。特にマクロ経済学のミクロ的基礎付けに関してなどは。
たとえば、ちとマクロよりの話ですが、経済セミナー9月号 p.102に紹介されている、
「独占力とTFP」なんかでは、完全競争市場の検定をやってたりする。こういうレベル
でのミクロの仮定の検証ってできてるのであれば、個人レベルでは否定されてる(よう
に僕には見える)ミクロ的な仮定は、別にみんなが思うほど非現実的な仮定ではないの
ではないかと思ったのです。
ので、多少使いやすくしてみました。
他の掲示板群(笑)とのリンクと、過去ログへのリンクを入れてみたりなど。
「ミクロの均衡予測 ≒ 実際の観測・分析結果」ってのはこんな話?
都市経済の人とか工学系の人とか何とか総研の人とか
(注:決して山形さん個人のことを指してはいないし、揶揄もしていない。)は、
時として現実の集計された需要関数を推定しなきゃいけない。
そのとき、CESモデルやロジットモデルという、
少数のパラメタしか含まないモデル
(効用最大化仮説よりもっともっと強い仮定が必要)
の関数型を用いて推定する。
それが案外うまくいく、って話。
んでもって、うまくいく理由は効用最大化仮説とはやっぱり無関係だと思うのですが。
(ド素人の暴言をお許しあれ。他所での引用と信用は共に禁ず。)
職業柄、弱いんです(笑)。
以下のような対応関係が僕の頭の中ではできてます。
マクロ寄りの頭なのでミクロの鉄槌でつっこんでください。
個人レベル:ミクロの行動仮説 ≠ 実験経済学での結果
市場レベル:ミクロの均衡予測 ≒ 実際の観測・分析結果
>「個々ではダメだけど、集計すれば大丈夫!」と考える根拠はあります?
根拠はないけど、許婚者ならいるわよ。なーんて冗談はさておき、「集計すれば
大丈夫!」とはいわないけど、「いろいろやってみて、結果的に『全体』はどう
なるか」を予測するのはけっしてムダなことではないと思うんだけど。どうかな??
なかなか抜けられない。
ところで、
「個々ではダメだけど、集計すれば大丈夫!」と考える根拠はあります?

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